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ハリー・ポッターに感動したあまり、超精巧なホグワーツのミニチュアを作ったファン

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ファンの熱い思いが込められている「ファンレター」。どれほどの愛が詰まっているのか、のぞいてみましょう。

1999年に日本で第1巻が出版された『ハリー・ポッター』シリーズは大ベストセラーとなり、全7巻の総部数は2400万部を超えています。今もなお人気ですよね。この日本語を翻訳・出版した静山社の一室には、ハリー・ポッターの世界の超精巧なミニチュアが飾られています。



▲小説から想像を膨らませて作ったという、ホグワーツの校長室

▲手前の椅子は全体の高さが約9㎝、足は2.5㎝。すっごく小さい!

実はこれ、なんとあるファンの方から送られてきたのだとか! 送り主であるsanagiさん(ふだんはOLさん)にインタビューしてみました。

■これは何のミニチュアですか?
「ホグワーツ魔法魔術学校の校長室です。見えるものも見えないものも、過去も未来もすべてを知っている雰囲気がある校長先生はいつも穏やかでユーモアに溢れています。語らずともその佇まいや視線が何よりも多くを語り、とても魅力的な人物に見えました」

■制作方法は?
「最初は、自分の脳内に見えている映像を絵にするところから始まります。そして、その絵が立体になるように部屋や家具などの図面引きから製作、塗装。額縁を作り、絵画を描いたり......。壁紙と床に使う布を探し求めて輸入生地屋を渡り歩いたり......。勘に頼りながら創意工夫の連続で、苦労を感じる暇はなかったです(笑)」

■かかった時間は?
「だいたい1か月半くらいです。初ミニチュア作品でしたが、自分の脳裏に見えている世界を形にできるよろこびで夢中で作り続けました」

■お気に入りのポイントは?
「椅子と不死鳥です。子供のときから必要なものは独学で手作りしてきたので、家具なども手作り前提で考えており、アンティーク家具屋に足を運んで大きさや雰囲気、目に映る色味や表面の艶の密度などを確認して、ヒノキなどで作りました。また、物心ついたときから鳥好きなので不死鳥はかわいくて仕方ありません」

■どんな愛が込められているのでしょうか?
「『ハリー・ポッター』という作品を生み出したJ.K.ローリング女史と、熱い想いを持って『ハリー・ポッター』を日本に届けてくれた翻訳者の松岡佑子さんに対する感謝と応援の気持ちを込めて作りました」



▲椅子のディティールが超こまかい!

初のミニチュア作りでこのクオリティ! 世界観もすばらしいですね。インタビューをすすめていくと、この情熱の源はsanagiさんの過去と大きな関係がありました。

「高校生の時の話です。私はある事故のショックで喜怒哀楽を無くし、感動と想像というものがなくなり、絵を描いたり創造することができなくなりました。これまで創作を表現手段として生きてきた私にとって、創作することができないというのは言葉をなくした状態です。何も感じない......というのは生きている意味を見失いそうでした。

そのとき、心配して見兼ねた同級生がハリー・ポッターを貸してくれました。よかったら、読んでみる?と。

1ページ目、最初の文章を読んだ瞬間に、無感動だった脳内の白黒の世界が一瞬でフルカラーの動画のようになり、もとの感受性が戻りました。

人は本当に驚く体験をしたとき、一瞬そのできごとが信じられません。でも、それが事実で、本当にうれしくて、第一巻を読み終え、第二巻をすぐに購入し、こんなに心躍る本を日本で出版して下さった松岡佑子さんに感謝を伝えたくて手紙を出しました。久しぶりに描くことができた『ほうきに乗るハリーと、その隣を飛ぶヘドウィグの絵』を添えて。

ハリポタの心躍る世界に出逢えた感謝をたくさんの方法で表現しては静山社に贈っていました。ミニチュアはその表現のひとつです。静山社には快く受け取っていただき、本当にありがたかったです」

すばらしいできごと! 静山社の松岡佑子さんからは「魔法で治ってよかったですね。絵は手帳に貼って持ち歩いています」というお返事が来たそうです。

やっぱり、すごいファンレターにはすごい愛が詰まっています。おすそわけありがとうございました。

(田中結/プレスラボ)

■取材協力
静山社

 

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