木内一裕氏の同名小説を映画化した三池崇史監督が、「観たことがない映画になったと思います(笑)」と自負するサスペンス・アクション『藁の楯 わらのたて』。その真意を聞いた。
10億円という巨額の懸賞金のために全国民1億2,000万人が狙う凶悪犯・清丸国秀(藤原竜也)の移送のため、警視庁警備部所属のSP銘苅一基(大沢たかお)たちの苦闘を描く。舞台となる空港、留置所、病院、高速道路、官庁街、新幹線、すべてが本物という圧倒的なリアリティーは、日本映画では前代未聞の超絶スケールだ! 「たとえばカー・スタンドでいうと、『マッドマックス』(79)みたいな映画が撮りたかった(笑)。あのザクザクしたような荒涼感が、世界中をあっと言わせましたよね。ああいう映画、今はないよなって」。
中でも新幹線で清丸を移送するシーンは圧巻で、台湾高速鉄道を利用してのロケ撮影! 「まあ、楽しかったですよ。オレたちは今台湾にいるのか。新幹線を撮るためにって、現実味はなかったですが(笑)」と回想する三池監督。しかし、すべてにおいてリアルを追求した結果、超一級のサスペンス・アクションに仕上がった。「物語そのものよりもビジュアル面でまず圧倒するとか、最後の清丸の一言を聞いて観ている方々は何を想うかとか。見てくれは大人の映画みたいな印象ですが、そこまで行儀がいいかどうかって話もある(笑)」。
その本作、「これは観たことがない映画だなって、今の若い人たちに思ってほしいですね」と推す三池監督。「最初自分では30代、40代が観て楽しい映画だと思っていたけれど、完成してみると一番楽しめる層は、実は10代かもしれないとも思うようになって(笑)。『マッドマックス』(79)、これ全然関係ないですが(笑)、ざっくりとしたやんちゃなモノが映画の原石だと思うので、『藁の楯 わらのたて』が今の若い人にとって光ればうれしいです」。
映画『藁の楯 わらのたて』は、2013年4月26日(金)より、全国ロードショー!
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