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やあ、みんな!俺はヒーローだ。
どんなヒーローかって?
世の中のビミョーな物の白黒をハッキリジャッジしなきゃ気が済まないヒーローなのさ。
ジャージ姿でジャッジする、
人呼んで「ジャージ・ドレッド」なのさ!
<もちろん、映画『ジャッジ・ドレッド』にインスパイアされたのさ!>
今日は世にはびこる、ビミョーな食べものを白黒はっきりジャッジしよう。
ヒーローたる物、街の平和を守るためには日々の努力が必要だ。
ビミョーな食べものをジャッジするにあたって、まずは標準的な食べものを食べておかねばな。
俺が世の中で一番標準的だと思う食べもの、食品界のいわばメートル原器に当たる物が「のり弁」だ。
うーむ、これぞスタンダード。
俺の思う「ザ・標準」である。
白身魚フライにちくわの天ぷら。海苔とおかかにきんぴらごぼうまでついている。
こんなすてきな弁当が290円なんてすごいよな。
日本っていい国だ。
白身フライのサクサクした衣がたまらないな。
いやあ、満足満足。
ストレートにうまい。
もちろんジャッジは「マル」である。
さあ、これで基準が定まったぞ。
ここからビミョーな食べものをジャッジしていこう。
まずは最近話題の「やきそば牛丼」だ。
焼きそばと牛丼なんていう、ジャンクな食べものを合体させてしまうなんて、あんまりにも短絡的ではないか。
味のことなんて考えていない、話題性だけを狙った商品なんじゃないだろうか。
ともかく食べてみよう。
「秘伝のソース」というのをかけて食べるわけか。
秘伝なんていわれると、うまそうな感じがしてしまう。ヒーローは秘伝に弱いのだ。
では、いただきます。
悔しいけど、いけるぞこれは。
焼きそばの香ばしいソース味と牛丼の具がしっくりきている。
これは思ったよりも完成度の高い食べものだ。
そして申し訳ないが、ヘルメットをかぶっているとよく見えないので食べる時は外させてもらった。
せっかくならおいしく食べたいからな。
想像以上においしかったのでジャッジは「マル」だ。
これはまた食べたいぞ。
続いてジャッジするのは、水戸のお土産やさんでみつけた「納豆あめ」だ。
パッケージには"健康銘菓"と書かれており、封を開けると「あめ」の中に小さな納豆のかけらのような物が見える。
そして、プーンと納豆の香りが。
なめてみると、最初は普通のあめなのだが、舌の先にだんだん粘り気を感じてきた。
明らかに納豆の感触である。
これはかなり変な食べものだ。
インパクトはあるが、決してうまいとはいいがたい。
申し訳ないが、ジャッジは「バツ」だ。
どこまで行ってもちょっと納豆くさいあめであり、まさしくビミョーなのである。
続いて、もう一品納豆がらみの食品、「チョコ納豆」だ。
これも水戸のお土産品店で見つけた物で、ドライ納豆をチョコレートでコーティングしたお菓子だ。チョコレートと納豆の組み合わせ、どんなものだろうか。
あれー?
サクッと歯ざわりがいいドライ納豆は、納豆臭さをあまり感じない。
むしろ大豆の風味の方が多く伝わってくる。
穀物とチョコという組合せはちょうど麦チョコみたいな感じだ。
納豆らしさが少なくて、意外にうまい。
うまいのだけど、身構えて食べた分だけ物足りないような気もする。
よって、ジャッジは小さく「マル」だ。
次にジャッジするのは、「しもつかれ」である。
Wikipediaによると「しもつかれとは北関東地方に分布する伝統の郷土料理で、初午の日に作り赤飯と共に稲荷神社に供える行事食。鮭の頭と野菜の切り屑など残り物を大根おろしと混ぜた料理である。地域によりしもつかり、しみつかり、しみつかれ、すみつかれ、すみつかりとも呼ぶ」とある。
郷土食としては有名で、地域や家庭によっていろいろな味があるらしい。
パッケージから出すと、こんな感じだ。
原材料名は「大根、人参、いり大豆、鮭の頭、酒粕......」となっている。
ちなみにグーグルで「しもつかれ」を検索すると「しもつかれ ゲロ」と候補が出てくる。
あんまりな話である。
さっそくいただいてみるが、これもビミョーな食べものだ。
酒粕と鮭の風味が鼻に抜けていく。
「なんなんだろうな、この食べもの」と思い、もう一口食べるが、それでも答えは見つからない。
永遠に「なんだろう」が続くのだ。
うまいとかマズいというベクトルでは測れない魅力がこの「しもつかれ」にはある。
よってジャッジは「マル」だ。
よくわかんないけど口にしたくなる食べものだった。
さて、今日最後にジャッジするのは「ふなずし」である。
これは滋賀県に奈良時代から伝わる伝統料理で、フナと米を発酵させた食べものだ。
強い香りと酸味が特徴で、大好きだという人と食べられないという人に大きく分かれる。
パッケージを開くとこんな感じ。
フナの部分と米が別になっているタイプだった。
すでに酸っぱい香りが漂っている。
この米部分がかなり酸っぱい感じで、そしてそれがまた「ふなずし」のおいしさの秘訣でもあるという。
では、いただこう。
むひょーん。
だめだ、苦手だ。
これがおいしい食べものだろうということは理解できるのだが、口中では酸味と独特の香りが実に素直な意見を述べている。
実は二十年ほど前に食べたのだが、当時は「こりゃ大人の味だ」と二口目に進まなかった。
あれからずいぶん大人になったが、この味を楽しめるほどに俺はまだ成長していないようだ。
ということで、ジャッジは「バツ」である。
これは、成長しない自分に対しての「バツ」だ。
というわけで、今日のジャッジは終了だ。
またあう日まで、あばよ!
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