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オランダと引き分けた日本代表は20日、ブリュッセルで「赤い悪魔」ことベルギー代表との国際親善試合に臨みます。
サッカーの試合方式にはホームとアウェイがあり、なかにはどちらで試合をするかで全く違う戦術をみせるチームもあるほどです。そんなサッカーの試合において、「ホームアドバンテージ」とは実際に存在するのでしょうか。
書籍『人はなぜ集団になると怠けるのか』では、国別のホームアドバンテージについての研究結果を紹介しています。
ヨーロッパで最もホームアドバンテージがある国は、サッカー列強国といわれるスペイン・ドイツ・イタリアではありません。ホームでの勝率が高いのは、79%の高確率を叩きだすボスニアや77%のアルバニア。バルカン諸国の国々が意外と高いのです。スペインは64%、ドイツは63%、イタリアは64%、イングランドは62%と、強豪国は軒並み60%代。
では、南米はどうでしょう。勝率が高い国は、74%のボリビアと70%とペルー。アンデス山脈付近の地域が高い様子。ワールドカップ優勝候補国のアルゼンチンは58%。ウルグアイも52%とそう高い数字ではありません。
では、日本はどうでしょう。日本代表の試合が開催されれば、毎回会場は満席。ブルーのシャツを着たサポーターが懸命に応援を続けます。そんな日本でのホームでの勝率は56%とやや残念な感じに。応援による効果はあまりないようです。お隣韓国も56%。ただ、同じアジアの中国に関しては、65%と高い数字を出しています。
同書の著者で、大阪大学大学院人間科学研究科教授の釘原直樹氏によると、「国土面積や文化、国内リーグのシステム、地域性、プロリーグ成立からの年月の長さなどが複合的に影響している」と分析しています。
最後に、来年ワールドカップ開催国、ブラジルの勝率はどうでしょう。今年、地元で開催されたコンフェデレーションズカップで優勝もしたブラジル。同国の勝率は64%です。数字自体は低いものではありません。本来の実力を合わせると、やはり優勝に近い国なのかもしれません。
ホームアドバンテージの時代差や地域差のデータから、「歴史が浅く、選手や観客の競技に対する情熱が高い時代や競技に対する思い入れが強い地域ほどアドバンテージが高く、競技が次第に洗練されシステム化・ルーチン化されればアドバンテージは低下することを示しているかもしれない」と釘原氏は言います。
来年のワールドカップ、日本代表のパフォーマンスが今から楽しみですね。
【書籍データ】
・『人はなぜ集団になると怠けるのか』 釘原直樹著 中公新書
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