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ピーター・アーツから学ぶ仕事術 言い訳しない、最悪の状態でも最高のファイトをしろ

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キックボクシング界の一時代を築き上げたピーター・アーツ。オランダの怪童として名を轟かせた彼が21日、有明コロシアムで行われる『GLORY13』でキックボクシングを引退することを発表した。


アーツは現在43歳。日々の業務に追われる社畜管理職世代には、同世代の「漢」のカリスマとして捉えている人も多いのではないだろうか? 94、95、98年のK-1 GRAND PRIXを制覇し、格闘技界の歴史に残る輝かしい経歴を持つアーツだが、選手生活のすべてが順風満帆だったわけではない。

現在『GLORY13』の公式ページには、アーツが引退に際して語った『独白!! ピーター・アーツ引退1万字インタビュー完全版!!』を掲載。その中で、彼は06年のアムステルダム大会で起こったとんでもないエピソードについて語っている。

「俺はアーネストとボブ・サップの対戦を放送席で解説するために呼ばれていた。それなのにボブが直前にボイコットして、急に俺がアーネストとファイトすることになったんだ。今だから言うが、俺のコンディションは最悪だったんだよ。試合の予定がなかったから1カ月くらいトレーニングをしていないし、前日にパーティーがあってウオッカを1本は飲んでいた。で、2時間くらいしか寝ていなかったうえに、放送席でもリラックスしてビールをあおっていた。そうしたら石井館長がやってきて、"ホーストとやってくれ"って言うんだ」

あまりにも信じられない出来事だが、アーツはそれを快諾。トランクスは盟友セミー・シュルトに借り、試合に臨んだという。たとえ忘年会で泥酔しようとも、トラブルがあれば何時でも駆けつけるのがプロフェッショナル社畜の流儀。「酔っぱらっているから仕事ができません」なんてヌルいことは言わない。「飲み会って残業代出るんすよね?」なんて言っちゃうヤツはそもそもお役御免である。

そしてさらに重要なのは、試合前に控室で交わされたという、ホーストとの会話。

「準備中にアーネストが控室まで来て、"本気でやらなくたって、ファイトマネーはちゃんと出るぞ"って言ったんだ(笑)。」

プレゼンの際、「競合に参加することが大切だから、とりあえず捨て案を用意していて」なんていうヌルいリーマンがいるが、こんなヤツは論外。どんなに苦しい状況でも、最高のパフォーマンスを常に見せようとするのがデキるビジネスパーソンというものだ。

この試合でアーツは、コンディションの悪さからホーストに負けを喫してしまったが、ファイターとしての仁義はバッチリ通している。ちなみに逃げたボブ・サップは、翌年アーツに26秒でノックアウトという制裁を受けたぞ。アーツ兄貴、一生ついて行くっス!



【参照リンク】
・ピーター・アーツ引退試合『GLORY13』公式サイト
http://glory13.jp/

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