プロ野球の世界に飛び込んだばかりの新人選手が、会見で「一生、このチームで頑張ります」と発言──普通に考えれば、ファンの好感度は高まりそうなもの。しかしファンから何故か"しらけモード"が漂う、微妙な空気感が発生している選手がいる。
その発言の主は、昨年のドラフト会議で広島カープから2位指名され、カープに入団した九里亜蓮投手。
アメリカ人の父のもとに生まれ、岡山理大付高から亜細亜大学に進んだ九里は、186センチの長身から投げ下ろす速球で、4年生時に亜大を東都リーグ優勝と明治神宮大会優勝に導き、明治神宮大会ではMVPと最優秀投手に輝いた。
そんな九里は5日、キャンプ初の休日に、キャンプ先・宮崎で焼酎酒造を訪れ、報道陣との会見で、昨年限りでチームを去った前田智徳を例に挙げ、
「自分は一途で頑張りたいんです」
「前田徳さんはカープ一筋で一途にプレーされた。僕も活躍しても、格好いい男でありたい」(一部抜粋)
などと発言。そして、「野球をできる限りは広島でプレーする」と、入団後の初キャンプ、わずか5日目にして"生涯カープ"を宣言した。
この発言が、なぜカープファンの冷たい反応を招くのか?
それはここ10数年、カープが抱えてきた構造的な問題がある。1993年にFA制度が導入されて以来、カープは一度もFAで他球団から選手を獲得したことがなく、川口和久、江藤智、大竹寛(いずれも巨人)、金本知憲、新井貴浩(いずれも阪神)と、主力選手を獲られる一方。また黒田博樹(現・ヤンキース)やシーツ(元阪神)など、金銭面で選手を引き止めることができず、選手が移籍していくさまを、指をくわえて見てきた過去があるのだ。
それゆえ九里の発言に対しても、カープファンからは、
「この言葉忘れんなよ」
「この子ならガチで貫きそう」
と、期待の声もあがっているものの、
「人の思いなんて簡単に変わっちゃうから・・・」
「そのうち『妻子が出来て考えが変わった』パターンやな」
「数年後
???『せっかく頂いた権利だし他球団の評価を聞いてみたい お金ではない』」
(以上全て原文ママ)
と、早くも"諦め"の声もあがっており、新井貴浩が移籍した際の「辛いです」という言葉を書き込むファンも登場。主力流出に対するカープファンの恨みは、まさに骨髄にまで達しているようだ。
【参照リンク】
・広島東洋カープ
http://www.carp.co.jp/
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