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画家ヒエロニムス・ボスの作品がイメージの過剰摂取のように感じた人にとって、それがもし映像になったらどう思うだろうか。マルコ・ブランビラの3Dビデオコラージュ作品から受ける印象はまさにそれに近く、天地創造や破壊などに基づいたストーリーが感覚に強烈に訴える手法でループ再生される。カニエ・ウェストの「パワー」のPVを担当したことで知られるブランビラは、同作ついては「非常に個人的な黙示録のようなもの」と説明していたが、今回の作品もそれに匹敵する魅力を持ち合わせている。
ブランビラは4年前に「Civilization (Megaplex)」と題した天国と地獄を行き来する作品をエレベーター内で発表、その2年後には人間の進化を追った「Evolution (Megaplex)」を発表しており、両作品とも過去の映画400点以上をコラージュした動く絵画のような映像作品として知られている。
そして今年、過去2作に続く3部作の最終作として「Creation (Megaplex)」が発表される。今回もハリウッドや海外の作品を含む大量の映画を素材がブランビラのストーリー上でループ再生されていく。画像ではトム・クルーズ、ジュリー・アンドリュース、ジム・キャリーなどが確認できるが、その他にも数多くのスターが登場しているはずだ。作品は宇宙のビッグバンからスタートし、理想郷、そして絶滅へと進行し、またビッグバンへと戻るというストーリーが展開されるが、これらが全てDNZの二重らせん構造のレイアウト上に3Dで表現されていく。
マルコ・ブランビラの映像作品「Civilization (Megaplex)」
尚、ブランビラ自身は過去のインタビューで、「(作品は)時代に対する意識の集合体というか、サブリミナルな映画の記憶をポップに表現したものだ。刺激的なイメージを求めて海外の映画も沢山見たし、想像できる殆ど全てのジャンルの映画が盛り込まれている」と答えている。
「Creation(Megaplex)」はLAのChristopher Grimes Gallery(クリストファー・グリムス・ギャラリー)で11月3日から12月22日まで展示される。
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