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いつものように1時間の生放送を終えて、いつものように楽屋へと戻り、いつものようにお茶を飲む。いつもと違うのは、お茶が少しだけ濃いことと、そして今日がこの曜日の最終回だったということ。
あと4日か、と私は思う。長いようで、本当に長かった。最初は3ヶ月で終わるつもりでいたこの番組と、ここまで長年の付き合いになるなんて思ってもみなかった。しかし、感慨はない。そういった感傷に浸るのは私の趣味ではない。淡々と、粛々と、川の水がただ流れるように、あるいは木々の歯が風に揺れるように、それが私の流儀だからだ。
そんなことを考えていると、楽屋のドアの向こうから声がした。
「ハーイ! ローラだよ! 楽屋に入ってもいいかなー?」
こちらの返事を聞くまでもなく、彼女は部屋に入ってきた。ローラのそんな自由奔放なやり方が、私は嫌いではなかった。私は彼女の問いに答える。
「いいとも!」
私の名前は森田一義。日本中のみんなからは、タモリ、と呼ばれている。
(※注) 本記事は個人の妄想を勝手に書き連ねたものであり、以下の写真は本文の内容とは一切関係ありません。
「タモタモさん。今日で火曜日、最終回だったねー。ウフフ!」
ローラはいつものように、笑っている。何がそんなに楽しいのだろう、と一度考えてみたことがあるのだが、おそらく彼女は、生きていることそれ自体が楽しいのだろう。それは素晴らしいことであり、ローラの笑顔が他人を元気にさせてくれるのは、きっとそれが理由なのだ。生きていること自体への肯定。私の目指すべき場所もまた、そういったところだと日々思っている。
「ねえ、タモタモさん。今日ね、ローラ、タモタモさんにプレゼント持ってきたの!」
プレゼント? ついさっき、手作りのお菓子と、帽子を貰ったところなのに。
「こういうときじゃないと、渡せないやつなの。ほら見て? ジャーン!」
ローラの手には、一枚の封筒があった。そこにはつたない文字で『卒業証書』と書かれている。
「タモタモさん、卒業しちゃうから、一生懸命書いたんだよ? じゃあ読むね。ちゃんと聞くことー」
まったく、ローラは本当に自由だ。しかしその言葉通り、私は姿勢を正して椅子に座り直す。
「タモタモさんへ。卒業おめでとう! やっぱりちょっとだけはさみしいけど、いつものように笑顔でいなきゃダメだよー。そして今日は、タモタモさんにずっと内緒にしてた、一つのことを教えてあげるね」
ずっと内緒にしていたこと。一体何だろう。
「それは、わたしの『オッケー!』っていう口癖は、タモタモさんの『いいとも!』の真似をしているんだよー。いままで内緒にしててごめんなさい。でもタモタモさんなら、きっと笑って許してくれると思うよー」
知らなかった。ローラの『オッケー!』が『いいとも!』から取られていただなんて。確かに意味は同じだ。ともに肯定の言葉である。
「わたし、芸能界に入ったばっかりのころ、自分に自信がなかったの。よく失敗して、怒られたりもして。だけどそんなとき『笑っていいとも!』のタモタモさんを見て、すごく嬉しくなったのー。そのままの自分で良いんだ、って、そのとき気付いたんだよー」
そう。その通りだ。人間は、反省したり、成長しなくちゃいけないわけじゃない。そのままの自分で良いのだ。どんな辛いことや悲しいことがあっても『いいとも!』と笑い飛ばせるのが、人間のすごいところなのだから。
「だから、タモタモさん、本当にありがとう! そして、これからも元気でね! 以上、ローラだよー。えへへ。読んでる途中で、泣いちゃったー」
ローラは、笑いながら、泣いていた。笑ってもいいとも。そして、泣いたっていいとも。人間はどこまでも自由なのだから。私、森田一義が言えることなんて、結局はそれくらいしかないのだ。
ローラは涙を拭き、ニッコリと笑い、私のほほにキスをしてくれた。
「それじゃタモタモさん、またね! バイバーイ!」
ローラはどこまでも自由なまま、勝手に楽屋にやって来て、そして勝手に帰って行った。まったく、と私は思う。本当に、ローラらしいやり方だった。
しかしまだ、私の仕事は終わっていない。昼の生放送はまだ残っているし、31日にはよる8時からグランドフィナーレもある。さあ、自由にやろう。不真面目にやろう。なぜなら私は、タモリなのだから。
それじゃ、最後にひと言だけ。31日、よる8時からの「笑っていいとも!グランドフィナーレ感謝の超特大号」。
みんな、見てくれるかな!?
(相沢直)
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