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園子温監督「自分がやりたいことをやっているだけ。イメージを大切する気なんてない」

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園子温監督、初の痛快エンターテインメント(バイオレンス&アクション&ラブコメディー)として話題を集めた『地獄でなぜ悪い』がパッケージでも好評だ。長年の構想を実現して「感慨はある」ものの、「自分のイメージが混乱することに抵抗はない(笑)」という園監督。『地獄でなぜ悪い』の話をはじめ、映画人としての想いや覚悟などもたずねてみた。


ヤクザの組長・武藤は獄中にいる妻の夢を叶えるため、娘ミツコを主演にした映画の製作を画策。武藤は男と逃亡中のミツコを捕まえ、その駆け落ち男・公次を無理矢理に監督に抜擢! 本格的に映画製作を始めるが、そこへ映画監督を夢見る若者・平田が助っ人として現れ、武藤と敵対するヤクザ組織まで巻き込み、本物のヤクザ同士の抗争をカメラは追っていくという話・・・
荒唐無稽なシチュエーションながら、これがメチャクチャ面白い! さぞかし園監督の自己評価も高いに違いないが、「人に面白いって言われて、よかったなと思うくらい。それまで自分で観て、面白いと思うことはないです(笑)」と謙遜する。

クールな反応だが、「積年の想いはあった」とも告白する。もともとは園監督自身のアクション映画を撮りたいという強い欲求が、15年以上前に書いたシナリオによって『地獄でなぜ悪い』に結実した。「ようやく撮れたなあと。予算がかかるので、いつか撮れればいいなあ程度だったので」。完成した映画は、大評判だった。世界の名だたる映画祭に正式出品され、園監督に対するイメージが変わったという声も少なくなかった。「17年前の自分がいっぱい入っていて今の自分じゃないので、他人の脚本の作品みたいです(笑)。感慨はありますが、自分の中で何かが変わった、ってことはないですかね」。



ただ、パブリックイメージを壊したい欲求は、「毎回ですね」と言う。「この夏、『TOKYO TRIBE』という映画が公開されますが、"地獄"に続いてアクション映画です。これは本当にバカな映画(笑)。アクション映画を連続で撮って、本当に満足しました」と現在の胸中を明かす。基本は、「前の映画と違うものを撮りたい欲求」。そこに「イメージを大切にしようという気はないですね(笑)」と笑う園監督。「求められていることをやるというより、自分がやりたいことをやっているだけ。危険な綱渡りですよね。自由であろうとするために、ファンが求めていることと違うことをするので。でも、それが僕であるわけで、そうであればこそ『地獄でなぜ悪い』も誕生したと思っています」。

『地獄でなぜ悪い』はBlu-ray&DVDにて絶賛レンタル&発売中

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