企業の新卒採用、学生側から見れば"就活"の内容というのは、各企業によって違うもの。エントリーシート・筆記テスト・グループディスカッション・グループ面接など、様々な選考方法がとられているのは多くの人の知るところだが、実際にこれらの過程がどのような雰囲気で行われているのかを外部の人間が知るためには、選考を受けた経験者の話を聞く以外に方法はない。
そんななか、選考過程をすべて動画で公開する企業が現れた。「Ameba」等の事業でお馴染みのサイバーエージェントだ。同社は、4月20日よりYouTubeのオフィシャルチャンネルで、2015年度新卒採用のうち同年度から新たに設けられた「プロデューサー採用」という枠の選考模様をドキュメンタリー形式で公開しており、そのなかには、藤田晋社長による最終面接も含まれている。しかもこの面接の模様は、ノーカットで公開されているのだ。
「プロデューサー採用」というのは、総合職やエンジニア採用とはまた異なる枠で、同社が提供するコンテンツサービスにプロデューサーという形で携わる専門の人材を募集する枠。同社のテレビCM等では、社員であるプロデューサー自身がメディア露出することも少なくない。
そして、今回のこの採用過程公開という企画を手掛けたのは、放送作家の鈴木おさむ氏。氏は23日、自身のブログでこの企画について告知しており、藤田社長から「面白い動画を作りたい」という打診を受けた際、「やるならテレビで出来ないことをしたい」と考えたとのこと。そこで浮上したのが、「就職面接を全て見せる」企画だったという。
多くのテレビ番組の構成に携わる鈴木氏によれば、就職面接をテレビ番組で企画として扱うのは、規定の問題上なかなか難しいことだそう。そこで、ネット上の動画企画として今回のプロジェクトが実施されたという流れのようだ。
動画は全部で14本。1本はそれぞれ3分ほどの長さとなっており、323人が筆記試験を受験する模様から、試験の問題内容、受験者の感想、現役プロデューサーによる採点(審査)、プロデューサー面接、社長面接まで全ての過程に密着して撮影している。
筆記試験の問題はオリジナルで作成されたものとなっており、「あなたは大学生専用SNSのプロデューサーです」とした上でそのSNSの名称・特徴・流行らせ方を問うものや、どんなことに関して"オタク"並に精通しているかを問うもの、新アプリのアイコンを考えさせるものなど、ユニークかつプロデューサー能力を具体的に精査するような内容となっており、実際の解答例も紹介している。
そして、社長面接。取材班が筆記試験の段階から密着していたひとりの女子学生が最終選考まで残ったことから、彼女と社長の面接の模様をノーカットで公開しているのだが、有名企業がここまでオープンに重要な選考過程を見せるというのは驚きである。
今回の動画は、今後同社を志望する学生にとってこれ以上ない参考材料になるという点のみならず、画一的・限定的な部分が指摘されがちな日本の新卒採用に"オリジナリティー"の風を吹き込むという点でも、少なからぬ人にとって非常に興味深い内容になっているといえそうだ。
【動画】http://youtu.be/yarGztKlgIo
【参照リンク】
・8.現役コスプレ女子大生の最終面接をノーカットで公開【プロデューサー採用⑧】
https://www.youtube.com/watch?v=yarGztKlgIo
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