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今年は草間彌生の年であった。ルイ・ヴィトンとのコラボレーションや世界中で開催されている回顧展。しかし彼女は人生の大半の時間を精神病院で過ごしていると言う。彼女は一体どうやって水玉に包まれた摩訶不思議な世界を創造しているのだろう。そもそも彼女の描く水玉模様は一体何を表現しているのだろう。謎に包まれたアーティスト草間彌生のベールを剥がすべく、<Huffington Post>(以下、HP)は彼女にインタビューを試みた。HP:あなたの作品は遊び心のある作品だと紹介されることが多い一方で、あなた自身にとっては様々な痛みを伴うものだとインタビューの中で仰っていましたね。この2つの異なる解釈をあなたはどう受け止めていますか?
草間:あなたの言う通り、私の作品は痛みを伴うものであり、遊び心に溢れたものでもあるわ。その中のいくつかは遊び心に溢れているけど、他のものは全く違うの。
HP:あなたは水玉模様をウイルスのようなものに例えていましたね。あなたのアーティストとしてのバックグラウンドとこの水玉模様の間に相互関係はあるのですか?
「子供のころから私はいつも水玉模様を描いていたわ。地球、月、太陽、そして人間も、全ては水玉で出来ているの、無数の水玉によってね。これは私にとってとても大事な哲学のひとつであり、そしてこのアイディアは多くの人にも受け入れられているの」
HP:これまでいわゆる「アンチ・ファッション」の立場で洋服を作ってきたあなたが、なぜルイ・ヴィトンとのコラボレーションを行おうと思ったのですか?ファッションというものを探求する姿勢において、あなたの中で矛盾のようなものはありますか?
実はね、私の作品の大ファンだと言ってくれているマークジェイコブスさんが、私にヴィトンとのコラボレーションを勧めてくれたの。私は喜んでそのオファーを受けたわ。だって彼は驚くべき創造性を持った天才的なデザイナーだしね。基本的には、私の中のファッションにおけるアイディアとその探求の姿勢は全く変わっていないわ。でもね、私は今ファッションの最先端にいるんだって信じているわ。
HP:あなたがNYに拠点を移し、アーティストとしてのキャリアをスタートさせたことは、当時のアートシーンを確立させた女性画家ジョージア・オキーフの影響によるものでもありました。では現在のあなたは彼女のように、若い世代に影響を与えてきていると思いますか?
いくつかの面においてはそう言えるでしょうね。だけどそうとも言い切れないわ。
HP:あなたは、あなた自身のパーソナルな物語を語ること、そして「セルフ・オブリタレーション(自己消滅)」ということに力を注いでいます。アートを通して"自身を表現すること"と"自分を破壊すること"を一体どうやって両立させているのですか?
確かに私は自己表現と自己消滅を求めることにエネルギーを注いできたわ。でもね、私はアートを通して自滅するつもりなんてないの。
HP:あなたは1975年から精神病院に滞在し、作品作りを続けていますが、どうやってあの隔離された空間でインスピレーションを得ているのでしょうか?病院を出ようと思ったことはないですか?
病院にいようが、あるいはどこかの限られたスペースにいようが、私は全く気にしないわ。いつの日も私はひたすら一生懸命新しい作品を作り続けているだけよ。
The Whitney Museum of American Artで展示された作品は下のギャラリーから閲覧できる。
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