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ジギー・マーリーは、現代のレゲエは父ボブ・マーリーの時代のレゲエとは違うとしながらも、レゲエのスピリットを維持したいと考えている。また自身が手がけるコミック『マリファナマン』のアニメ版声優も担当している彼は、食料にも問題意識を持っているようだ。今年1月15日にiTunesでライブ盤『Ziggy Marley in Concert』をリリースしたジギーは、過去に4枚のスタジオアルバムをリリースしグラミー受賞歴もあるが、その他にも様々なプロジェクトを抱えている。しかし自分の中では音楽が最も大事で、他のプロジェクトはどちらかといえば音楽の持つメッセージにパワーを付け加える存在として捉えていて、特に父親の時代を思い出すと音楽の持つパワーの凄さを改めて感じるようだ。「父親と彼の世代を見れば、レゲエは世界にとって新しい音楽だった。あの時と競い合うことはこの先ずっとできないだろうね」
また、現時点で誰か目新しいアーティストはいるかという問いに関して、「いない」と簡潔に答えたジギーは、「レゲエの先輩たちに話を聞いたんだけど、彼らはレゲエには精神性があって、今の音楽には無いマジックがあったと言っていた。僕もそう考えている。僕は自分の音楽にそれを持ち込もうとしているんだ。革新的で冒険的、精神的なものを常に得ようとしているのさ。でもそのマジックというか精神性は、次世代の音楽にはちょっと見受けられない。良い音楽は生まれているけれど、あの当時だったらもっと良い音楽になっていただろうね」
そう語るジギーは当然のごとく父親の楽曲をいくつか演奏しているが、とても慎重に行っているようだ。『~In Concert』にはボブ・マーリーの「War」と「Is This Love」が収録されているが、ジギーはこれらの楽曲を自分の楽曲と繋げる形で演奏することで、自然な流れの中で披露しようとしている。
「僕は父親の楽曲と自分の楽曲を繋げて、全体の流れを生み出そうとしているんだ。僕の『Justice』から彼の『Get Up Stand Up』へ、そして彼の『Is This Love』から僕の『Love Is My Religion』へ。僕の楽曲と彼の楽曲に関連性を持たせるのが好きなんだ。あと、彼の楽曲を何回も演奏してしまうと特別な意味が失われてしまう。だから特別なタイミングで演奏するようにしている。そうすることで、より皆に感謝されるんだよ」
尚、前述の通り音楽活動の他にも様々なプロジェクトを抱えているジギーだが、その中のひとつに食品会社ジギー・マーリー・オーガニックがある。現時点では様々なフレーバーの大麻の実とココナッツオイルを扱っているが、ジギーはこれらがジャマイカ料理の主食であるとし、世界中の人たちに知ってもらいたいと考えている。
「食べ物は僕たちの文化の中で重要な位置を占めている。良い食べ物、ヘルシーな食べ物、オーガニックな食べ物がね。また僕には小さい子供がいるから、彼らに何を食べさせるのかというのも非常に重要だ。僕が扱っている食料は、音楽に対する哲学の延長上にある。つまり命に対するアプローチなんだ。あまり加工されていない自然な食べ物を摂取するように努めなければならないと思う。ジャマイカで僕はココナッツオイルで育った。市場でよく買ったものさ。工場で加工されたものじゃないよ。人々が市場に持ってきて売っていたものさ。バターのように使って、様々な料理に使うことができる。あと大麻の実は栄養満点なんだよ。オメガ3オイルが豊富でね。個人的には素晴らしい植物だと思っている。どう使うかは別としてね」
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