実はチョコレートは「神の食べ物」と呼ばれていることをご存じだろうか。チョコレートの原料となるカカオの樹の学名が「テオブロマ」と言い、ギリシャ語のtheos(神)とbrom(食べ物)を合わせたものなのだそう。たいそうな名前だが、チョコレートについて調べてみると、なるほどと思わされる効果があることがわかってきた。
チョコレートの原料であるカカオは、古くはマヤ文明の頃から食べられていたのだそう。といってももちろん当時は現在のようなお菓子ではなく、カカオと薬草と混ぜあわせ、歯痛、喉の炎症、胃腸・肝臓病、解熱、毒消しなどの万能薬として使われていたという。それが次第に、スパイスなどと混ぜ合わせてドリンクにした「ショコラテ」に。ショコラテは「適量を飲むと元気になり、快活、活気づく」と言われ、王侯・貴族、高級僧侶らの間でとても貴重なものとして扱われていたのだそう。上流階級でも貴重だったなら、「神の食べ物」というのも納得のネーミングだが、実は現在においても、その驚異的な効果が明らかになってきている。
そのひとつが、集中力や記憶力のアップ。チョコレートにはカフェインの仲間であるテオブロミンが含まれているのだが、これはカフェインに比べて興奮作用がずっとマイルド。大脳皮質を刺激し、集中力、記憶力、思考力を高めるほか、自律神経を調節してリラックスさせる効果もある。また脳にとって最も効率の良い栄養であるブドウ糖も多く含まれている。勉強中や仕事中の小休止にはうってつけの食べ物なのだ。
またもうひとつの効果が、アンチエイジング。カカオにはポリフェノールが含まれており、これには老化の原因ともなる活性酸素を除去する抗酸化作用がある。
さらに今、世界の研究者が注目している「神の食べ物」チョコレートの効果がある。それが、血圧降下作用。なんと世界で約150も論文が発表されているのだ。ドイツのケルン大学の研究では、血圧が高めの平均年齢63歳の男女44人を対象に、ダークチョコレートを1日6.3g摂取する群と、同等のホワイトチョコレートを摂取する群に分け18週間摂取。その結果、ホワイトチョコレート摂取群はほとんど変化しなかったが、ダークチョコレート摂取群は、体重やコレステロール、血糖には変化がない中、血圧が約3mmHg低下したという。1日わずかひとかけらのダークチョコレートで血圧降下が期待できるのだ。
他にも、チョコレートによって脳卒中や心不全のリスクが低くなることを、世界の様々な医学誌が報告している。
ここで重要なのが、チョコレートはカカオを70%以上含む、ダークチョコレートだという点。やはり「神の食べ物」カカオの成分が多いものの方が、健康増進につながるようだ。
と、名前のカッコよさにつられて調べてみたが、チョコレートにはその名に恥じぬパワーがあることが分かった。折しも、バレンタイン商戦が近づいている。街にチョコがあふれるこれからの時期、カカオの力でおいしく健康維持に努めてみてはどうだろうか。
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